大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和25(れ)1365 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

被告人両名の弁護人青木定行の上告趣意は末尾添附別紙記載の通りである。

所論は畢竟原審における第三回公判廷において被告人Aのための証人Bを取り調

べるに当り弁護人に対して同証人を訊問する機会を与えなかつたことが憲法第三七

条に違反するということに帰着する。よつて原審第三回公判調書中証人Bに対する

訊問の部分を調査すると、被告人Aの弁護人白川慎一は現に裁判長に告げて同証人

を訊問した記載があるのであつて所論のように右証人を訊問する機会を与えなかつ

たと認められるような形跡は何処にもないのである尤も同公判廷には相被告人Cの

弁護人古賀俊郎が立ち会つているに拘らず同弁護人に右証人を訊問する機会を与え

たか否かについては之を知るに足る何等の記載もないが元来同証人が被告人Aの関

係においてのみ取調べられたものであることはその訊問内容等において疑いのない

ところであるから右古賀弁護人が同証人を訊問しなかつたことは当然のことであつ

て同弁護人に右証人を訊問する機会を与えなかつたという訳のものではない。

弁護人は原審裁判長が被告人に対してのみ右証人の証言についての意見の有無を

問い弁護人に対してかゝる問をなさなかつたことを以つて証人に対する訊問の機会

を与えなかつた理由としているようであるがその理由のないことは旧刑訴第三四七

条第一項が「裁判長ハ各個ノ証拠ニ付取調ヲ終ヘタル毎ニ被告人ニ意見アリヤ否ヲ

問フべシ」と規定していることによつて明らかである、要するに所論は既に違憲の

前提となるべき事実において欠けているのであるから論旨は到庭採用に値しない。

よつて旧刑訴四四六条に従つて主文の如く判決する。

以上は裁判官全員一致の意見である。

検察官 三堀博関与

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昭和二五年一二月二六日

最高裁料所第三小法廷

裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎

裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 穂 積 重 遠

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